当社のお客様から、屋根修理の悪徳商法に関するお問い合わせや、すでに被害に遭われたというご連絡が増えています。実際に被害に遭われた当社のお客様は、「大至急処置が必要だ」と屋根に上がられ、一時対応の名目で高額な工事料金を請求されたそうです。
屋根の上はなかなか見えない場所であることから、カンタンに信じてしまうかたが多いようです。戸建て住宅にお住まいのかたは、このことを対岸の火事とは思わず、備えていただきたいと思います。
全国消費生活センターでも相談急増
「屋根工事の点検商法」に関する、全国の消費生活センター等への相談件数も増加の一途を辿っているそうです。以下の推移をみると、その様子は一目瞭然です。
点検商法とは、「近所で行う工事の挨拶に来た」などと言って突然訪問し、「屋根瓦がずれているため点検してあげる」と言って点検した後、「このままだと瓦が飛んでご近所に迷惑がかかる」などと不安をあおって工事の契約をする手口です。
2022年度の屋根工事の点検商法に関する相談件数は過去5年で最も多くなり、2018年度の約3倍になっています(図)。また、契約当事者の8割超が60歳以上で、特に高齢者に注意してほしいトラブルです。悪質な業者は巧妙なトークで消費者に近づき、本来消費者が望んでいない高額の屋根工事を契約させています(独立行政法人国民生活センターより)。
■悪徳業者の手口とは
悪徳業者のよく使う手口について、国民生活センターから、注意喚起のために以下のような資料が公開されていますのでご参照ください。
悪徳業者が訪問時の会話の中で使うキーワードは、
・善意で訪問している
・たまたま通った、見えた
・落下すると事故になる
・早急に対処すべきだ
・保険が使える
・いますぐなら安く工事できる
このようなもの。悪知恵をしぼって言葉巧みにたたみかけようとしてきます。しかも見た目には安心できそうな人物が訪ねてくることもあるとか…。
悪徳業者には、どう対応するべき?
悪徳業者の来訪時、初手としては最も多いのは善意の第三者を装ってインターフォンを鳴らす方法。その際に注意していただきたいのは、
すぐに対面しない
ことです。ヒトは対面してしまうと断りにくくなるもの。信用できそうな外観の人物の場合にはなおさらです。
対面したとしても、屋根上に上がらせるのは避けましょう。実際にあった当社のお客様の事例では、屋根に上がらせてしまったために、一時修理代として10万円をお支払いされました。
屋根に上がったら何らかの請求をされる
そのくらいの心構えで丁度良いと思います。また、請求時には、ご丁寧に根拠として修理した写真らしきものを見せてくれるそう。しかし、それも悪徳業者の抜かりのない手口。彼らのスマホやタブレット端末には、あらゆる素材・色の壊れた屋根の写真が最初から用意されているそうです。さいきんでは、ドローン映像も用意してくる場合もあるとか。
ご自宅の快適性や美観を保つためには、日頃からのメンテナンスは大切です。病気に備えてかかりつけのお医者さんがいるように、ご自宅の健康のために建築に明るい相談相手がいると心強いと思います。悪徳業者対策としても安心。
悪徳業者の手口にだまされないように、くれぐれもご注意ください。
◆◆◆ 参照資料 ◆◆◆
屋根工事の点検商法のトラブルが増えています(国民生活センター)